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匂いが懐かしく思うメカニズム

初夏のある日、ベランダで洗濯物を干していたらサーっと爽やかな風がふきました。透明で肌に優しく触れた風にはなんと「匂い」がありました。

どんな匂いなのか説明出来ないけどフワッとした風の香りでした。
その匂いを嗅いだとたん、なんとも言えない懐かしい思いが心に蘇りました。

何だか、
切なくなるような遠い昔に引き戻されるような、、、、

心に蘇る懐かしい気持ちを何としても思い出そうと目を閉じて記憶を辿りました。


十年以上前、
この季節の頃に異国に滞在していたことがありました。
その頃は仕事を辞めて1ヶ月ほどその地で暮らしていました。
初めての異国で、初めての体験ばかり、友達も周りも全て異国の人たち。
現実と離れ、異国での自分はとてもエンジョイして。楽しかったし充実した毎日でした。

一瞬にしてその時の思い出が蘇りました。
その頃にその国で感じた風と同じ香りだったのです。


匂いは記憶に宿るものなんだと、その時初めて知りました。

海を隔てた遠い国の風と同じ匂いを感じ、
匂いを介して、
その地と自分が十年来の時を経て瞬く間にリンク。

匂いと記憶ってすごいな、と感動しました。



匂いが記憶として何十年も脳に残っている、普段は忘れていても、ふとしたときにその引き出しが開かれて記憶を呼び覚ます、
そんなことがあるんですきらきら


匂いは人間の脳の中枢部「大脳辺縁系」に直結しているといいます。
(海馬→記憶、扁桃核→情動など)
その「大脳辺縁系」が匂いの情報を判断し、快・不快といった感情や過去の記憶などをおこさせます。



匂いを嗅げばそこにダイレクトに到達して記憶として保存されます。
同じ匂いを感ずれば一緒にしまわれていた思い出もよみがえるということでしょうかキラキラ


たった一瞬の匂いが、何十年も記録されている、

なんて


ちょっと神秘的で、
ちょっと不思議な、

でも、おもしろいきらきら

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